トマトの生命力引き出し、病気ストップ・食味アップ



 トマトの故郷は、アンデスの高地。昼夜の寒暖差が大きく、乾燥しています。そんな環境に近づけてやることによって、トマトは本来のパワーを発揮。病気に強くなり、味もノッてきます。逆にいえば、過ぎた湿気はトマトに害なすのです。ということで・・・



湿気対策の三本柱はこれ


 対流ファン

 人工的に風を起こすファンを9台設置。ハウス内に気流が生まれることによって、湿度が下げられ、病害を回避できます。また、炭酸ガスがどんどん送られるので、光合成を盛んにします。

 しきわら

 我が家の稲刈りが終わると、稲わらをお日様に干します。それを裁断し、ハウス内の通路に敷き詰めていきます。このわらが、空気中の余分な水分を吸着してくれます。手間はかかるし、稲わらの確保もむずかしいので、しきわらをしない農家が増えているようですが、昔ながらのこの方法は湿気対策にとても効果的なのです。

 ベルキュウスイ

 吸湿性、透湿性に優れている点をかって使用しています。冬場は夜間保温のために閉めるカーテンですが、従来のビニールだと湿気も一緒にこもり、水滴がぽたぽたと落ちてきていました。これを使い出して改善されました。



食味向上のためには



 ハチ受粉

 受粉には、足に黄色い花粉団子をつけたマルハナバチが活躍してくれます。自然にかなったハチ受粉だと果肉がしまり、ずっしりと重いトマトができます。糖度も人工授粉と比べて高めです。彼らに働いてもらうためにも、農薬は最小限に抑えています。


潅水液肥

 トマトの状態をみながら、有機酸・食用酵素・アミノ酸などが配合された液肥を、潅水チューブで流します。トマトの苗の横に這わせた黒いチューブが潅水チューブです。小さな穴が、等間隔に開けられています。この後、ビニールマルチで畝を覆います。 




土づくりへのこだわり



なにごとにも土台は大切・・・ということで土づくりは念入りに。




 太陽熱土壌消毒

 7月末、暑さ厳しい中、ハウス内の土壌をくまなくビニールシートで覆い尽くし、水を流し込みます。そして密閉すると、太陽光線によりハウスない温度がみるみる上昇。土中温度は40度以上にも達し、ネコブ線虫など有害微生物を減らします。



 土壌診断

 毎年、作付けが終了すると、農業普及所に頼んで土壌診断してもらっています。その結果をもとに必要な肥料を必要なだけ投入します。
←ロールオーバー画像なのでマウスカーソルを合わせて見てください。



 有機肥料の施用

 前作のトマトの残さはしきわらごとに引き込みます。そして肥料は、発酵分解有機肥料や、カニ殻・海草・活性炭などを含んだ土壌改良材など、放線菌や酵母菌・有効微生物群をたくさん含んだものを使用しています。これらの菌類が増えることによって、連作障害も病気も起こりにくくなります。



 自家製モミガラ燻炭の施用

 炭には微細な穴があいているために、有効微生物群(酵母菌・放線菌など)の住処にもってこい。つまり元気な土になり、トマトの根っこの張りにも良くなるのです。
 食いぶち分の米は作っているので、材料のモミガラからして自家製。専用の釜(ドラム缶3本くらいの容量)で焼きますが、1回焼くのに8時間はかかります。必要分(10アールあたり2トン)焼くには、3ヶ月近くかかります。




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