トマト近況 2004/2/29

今回は、冬場にとっても重宝する「ボトキラー水和剤」を取り上げてみます。

冬が来て、外気が冷たくなってくると、ハウス内の保温が最優先になります。夏場は、天窓もサイドも開け放って、十分換気できていましたが、冬場になると夜は閉めきり、昼でも開けるのは天窓のみ。どうしても湿気がこもってしまいます。ここで、悪さをしだすのがカビ類です。特に、灰色かび病は一旦広がり出すと、どんどん空気伝染していくので始末がワルイ。その予防剤としてここ数年愛用しているのが、「ボトキラー水和剤」です。
灰色かび病が発病したトマトの実の様子です。腐った病巣には、ふわふわした灰色の胞子がびっしり。この胞子が空気中を飛んで、トマトの葉っぱや茎、実の、小さな傷口から侵入していきます。特に、実に被害が大きいのも困りもの。通称“ボト”と呼ばれているのは、実がぼとぼと落ちるから?とか思ってしまいます。
でもここのところ「ボトキラー水和剤」を使い出してから、その“ボト”はどうにか抑えることができているようです。写真を撮ろうにも病果が見当たらないので、よその農家さんで撮らせてもらいました。なんでも、「ボトキラー水和剤」の中身は納豆菌の一種“バチルス ズブチリス芽胞”なのだそうです。これを散布することにより、作物表面でこの有効菌が繁殖・占有して、灰色かび菌をよせつけないのだとか。分類は生物農薬。マルハナバチやヒメコバチなど、有用昆虫への影響もないそうです。
散布方法は、ちょっと変わっていて、暖房機が作動しているときに、粉状の本剤を送風ダクトに投入します。風が循環するのに乗って、ハウス全体にいきわたるのです。暖房機を作動させる11月から3月頃まで毎日散布するのが基本なのですが、うちではちょっと少なめかな?