トマト近況 農薬散布



植えてからこっち、台風はふたつも来るし、秋雨前線は活躍してくれるし、どうも晴天が続きません。おかげで、トマトはもやしっ子状態。ひゅるひゅると丈ばかりが伸びていきます。もっと太陽に照ってもらって、がんがん光合成をして、固太りな体(樹?)になって欲しいのですが……。そんな状態だからか、虫が付きやすい。少ないうちは、ぶしぶしとつぶしていくのですが、あまりに多くなると、農薬を散布するしかなくなります。今回は、農薬散布の様子を紹介します。

減農薬栽培をしているので、散布する薬剤の種類や回数には気を使います。まずは農薬溶剤を水に溶きます。今回は、「ボタニガードES」。昆虫類に感染して死滅させるカビの一種(昆虫病原糸状菌ボーベリア・バシマーナというらしい)が主成分の、微生物殺虫剤です。この菌は、哺乳類などには感染しないので、人体には極めて安全なのです。また、化学農薬(残留が問題になるのはこっち)ではないので、農薬散布回数もカウントされません。ここ数年、農薬はかなり研究されてきていて、科学物質ではなく、自然界由来の、天敵や微生物の毒素を利用したものとかも増えてきました。

カッパ装着、防塵マスク装着。これが、農薬散布時のコスチュームです。この格好を夏場にすると、まさに着るサウナ。殺人的な暑さなのです。そんな時には、保冷剤を仕込める冷房ベストを下に着込んだりもしています。ただ、散布はたいがい午前中にしているので、初めのうちは大丈夫でも、思うよりも気温がどんどん上がってしまうことも。そうなると、散布後に氷枕で寝るしかない。

ホースにつなぐサオには、細かい噴射口がいくつも付いていて、溶液を霧状に噴射することができます。サオを大きく上下に振りながら、葉っぱ表面だけでなく、裏側にもまんべんなく散布します。虫は、裏側に隠れていることの方が多いからです。